◆やるぞと決めたらとことんまで



今までは人生の指針も収入面の暮らしもテニスだけ。それが変わってきて自分がこよなく愛する「部活の仲間感」から離れていってしまったみゆきさんは引っ越し屋の仕事にのめり込む。

 


「やっぱり、仲間と一緒に働くことが楽しかったんですね。今思えば、仲間たちに依存していたんだと思います。そのメンバーと一緒にいることがすべてだった。でも無謀なサービス残業続きで身体がぼろぼろになっていて、怪我も続くし吐血までする始末。」

 

 

病院で、仕事か人生か、どちらか選びなさい。そう言われた頃は、食べ物が栄養として体の働きに活用できる胃腸力、内臓、筋肉などの本来の働きを維持できていない状態でした。

 

 

「何か悪いところを治そうとするのではなく生きる努力を数十年かけて精一杯しなさいと言われました。」一刻も早く、仲間の輪の中へ戻りたい。焦る気持ちはしかし、時間と共に、ゆっくり静かに凪いでいく。



生きて、いかねばならないのだ。



一度、仕事もテニスも、模索していた体調維持指導の地域活動も一旦全て、やめたんです。何も考えない。何もしない。ぽっかりと穴が空いた気分。世の中を傍観するように静かに暮らしていました。

 

 

「アパートの大家さんが農家さんだったので、たまに、陽だまりのぬくもりがある土を触らせてもらった。優しい五感の刺激で心と体の感覚を取り戻すように暮らしていました。」

 

 

少しずつ、少しずつ、ひとつの思いが像を結ぶ。「また、テニスをやりたい」。



そこからみゆきさんの復活劇が幕を開ける。身体を元に戻すために、徹底的に勉強。

自分の胃腸は消化力が弱っているから、まず、添加物の一切入っていない食生活から。



「普通のスーパーに行っても、食べられるものがないんですよ。だから大家さんに野菜の育て方を教わって、プランターで野菜を育て始めたり、自然農法に学んだり。」



やるぞ、と決めたらとことんまで。幼い頃から揺らぎのない、みゆきさんの真骨頂だ。



「四国や九州の農家さんから、自然農法の野菜を取り寄せたりもして。でも大量に届いちゃうんですよね。だから保存できるように、干し野菜にしたり、瓶詰めにしたり。発酵食品も作りました」



想像を絶する手間暇だけれど、みゆきさんはもりもりと、それを「習慣」に変えていく。

五感が研ぎ澄まされ心を取り戻すと次第に体も回復。2年目ぐらいから自分らしさを取り戻して3年で医師のお墨付き、心も体も元気になりました。



「回復して、改めて、この先どうしよう、って思ったんです。『やばい、これから先、私は何をするんだろう?』。そしたら病院の先生から、健康づくりの講座で体験談を語ってほしいと言われて」



自分が生きるために重ねてきた日々の営みが、自分以外の誰かにとっても、有効であると知ったのだ。

 

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